昭和レトロな絵を描く安楽です。
2023年7月13日(木)〜16日(日)の期間、フランスのパリで開催されたJAPAN EXPOに出展しました。

JAPAN EXPOは一言で言うと「日本文化発信イベント」。
漫画やアニメを中心に様々な形で日本文化をアピール、楽しむイベントです。
参加者の多くがコスプレをしてるのも楽しい雰囲気がします。
出展前の準備や経緯は別で詳しく述べてるので、出展に興味ある方はこちらご覧ください。
今回は実際パリに行ってからの実戦編。
搬入準備からお伝えします。
【日本から商品を持っていく】
・スーツケースに23キロの手荷物2つ分
・郵送は難しい
郵送は知人がフランスや近隣国に住んでて現地に運んでくれる信頼関係があれば、前もって商品の輸送も可能かもしれません。
注意が必要ですが1ヶ月半くらいは届かないか、本当に届かない可能性があるのであまりおすすめできません。
せめて2〜3ヶ月前に送って、「届かなくても仕方ない」という気持ちで送るのが良いと思います。

郵送はほぼ信用できないので、自分の力で持っていくのが間違いないです。
自分はANAを利用しました。
支払う金額によると思いますが
「預ける荷物は3辺158センチ、重さ23キロ以内の荷物が2つまで(ファーストクラスは3つ)」
となっています。
気をつけないといけないのは全てはそうではありません。
安い航空券などだと「預かり荷物は1個まで」
など記載ありますので、よく確認しましょう。
ともあれ、その範囲で販売や披露したい商品を選別、調整していきます。
自分が持っていったもの
商品
・絵はがき
・ステッカー
・地図ポスター
・手ぬぐい
・キーホルダー(少量)
・似顔絵を描く道具
什器
・クリップ各種
・机にかけるクロス(防炎仕様)
・絵はがきやシールを展示、入れる布
・展示用ポスター
【小物】
・ハサミ カッター
・壁に貼るシートやひっつきくん
・結束バンド
荷物は行く前にシュミレーションした方が良いです。
23キロをオーバーすると超過料金か持ち込み不可になります。
自宅に体重計があれば、自分の体重を計って、荷物を持ってまた計れば、引き算からおおよその重量がわかります。
パリに着いても本当に飛行機から荷物が届くか油断なりません。
過去にも届かなかったことがあり、3〜4日後に空港から届いたこともあったので気が抜けません。
今回は平和に届きました。ホッ
【泊まったホテルと電車】
会場はシャルルドゴール空港の隣の駅にあります。
「開催中は来場者で電車は混乱します」との話を聞いたので徒歩で行けるホテルにしました。
電車に関しては本数が多い感じではなく、正確には来ないので、あまり当てにしない方が良いかと思います。
【搬入 ブースは意外と大きい】
自分が出展したのはプロフェッショナルブース。
開催日の前日に搬入できます。
時間は14:00〜18:30めど

ブースは意外と大きい
ブースの大きさは3メートル×2メートル、高さが2.4メートル。そして壁2面。
高さが結構あります。
見上げる感じがあります。
振り返ってみると日本でよく出る展示会イベントですと高さは大体2メートルくらいだったんだなと思いました。
そんな感覚に知らずに慣れていたせいか、40センチの高さをどうするかで思わず悩んでしまいました。

結束バンドをお守りで持って行っていたので、リングで数珠繋ぎで商品やハガキ入れの高さを調整していきました。

上に絵を飾れるスペースができたので、自分の場合はパリにお住まいのギャラリーを運営されてるヴァネッサさんにあずけていた絵を借りて飾り、空間を埋めることができました。
壁も2面あるので、お守りで持ってきた装飾用のポスターを壁に貼りました。
高さがある分、面積も大きい。
自分はA2~B2程度のポスターを7枚くらい持参してましたが全面積を埋めることはできませんでした。
商品の一つに手拭いがあったので、それを3つ4つ飾ってなんとかスペースを埋めることができました。

商品は「盗みが多いから気をつけて」
と皆が皆おっしゃるので次の日に商品は陳列することにしました。
搬入、設置は4時間くらいかかってしまいました。
【いざ開催】
開催時間は早いです。
8:30には優先者オープンで、9:00には一般オープン。
出展者は7:30くらいから入れますが商品を並べたりしてると準備ままならずスタートしています。

ありがたいことに自分のブースは関心を持ってくださる方が多く、さっそく絵はがきなどが売れていきました。
「現金かな、クレジット決済かなとドキドキしましたが、思いの外現金を出される方が多かったです。
9時10時は比較的ゆったりしてますが11時あたりになると随分人が増えます。
人が増えるにつれて電波が悪くなるのを感じていきます。

【クレジット決済と電波】
・現金払いは10秒
・クレジット払いは10分
「ヨーロッパの人は現金使わないよ。クレジット決済だよ。」
ということでQRコード決済を準備して臨みました。
QRコード決済はお客様にQRコードをカメラで読み込んでもらって決済サイトにアクセスして金額を振り込んでもらう仕様です。
(そうなった経緯は準備編でお読みください)
自分の販売してるものが絵はがきとステッカーで高額なものでもないので、現金の方が思ったより多かったのですが、中にはクレジット決済を希望される方もいます。
QRコード決済に戸惑う方は多かったですが説明するとほとんどの方が快く応じてくださいます。
支払いも順調に成功して、よかったと思っていたところ、11時を過ぎたあたりから支払いに時間がかかるようになりました。
QRコード決済はネットに繋げて初めて決済ができるシステムなのですが、ネットが繋がらなくなってきたようでした。
来客が増えると、ネットに繋がりにくくなるようです。
4日間で25万人の来場だそうなので、1日6万人くらいの来場イメージでしょうか。
11時から16時半くらいまでは電波がひどくて繋がりにくくてクレジット決済に5〜20分くらいかかるようになってしまいました。
お客様(フランス人の方多いですがヨーロッパ中から来客)のすごいところは「あきらめない」ことです。
電波が繋がらなくてもあの手この手で繋がるべく頑張ってくださいます。
何度もアクセス、友達の携帯からデザリング。電波が届くとこまで移動してトライ。どうにもならない場合はATMで現金を引き下ろす(キャッシング?)
フランスは一言で言うと「不便な国」です。
日常的に電波が快適な感じもないようでしたし、電車も運休になったり、水も不意に出なくなったり、電車のチケットの買い方も慣れないとよくわからないので、窓口は喧騒に包まれます。
そんな環境だからこそ、ちょっとした困難でも気にされないのかなと思うと、自分ももっと寛容に、あきらめてはいけない心を育まないといけないなと反省しました。
クレジット決済では、お客様は「払い終えた」となっても、こちらはその確認にタイムラグが出て本当に振り込まれてるのかがわかりません。
PayPalは調子が良い時はお客様が振り込み成功したら、すぐに「振り込まれました」、と連絡がきます。
電波の入りが悪いといつまで経っても入金確認の着信が来ません。
だんだん、自分も着信が来なくても「良いですよ」と言い出してましたが目ざとい方は「本当か?」と自分のスマホを覗き込んで確認します。
「ダメダメ、君に着信来るまで待ってる」
と言われます。
自分がいたたまれなくなりますが、お客様は気にせず待ってくださいます。
トラブルにかかる時間について気にされないのがすごいなと思いました。
パリに住んでる日本人の方と数人お話ししましたが、「不便やトラブルに関して気にしないのがフランスの良いとこです。」とお話しされてました。
【QRコード決済の比較】
・PayPalは合計金額で入金できるが電波悪いとアクセス困難
・stripeは個別決済しかできないが、paypalよりかはアクセスできる
今回海外でもQRコード決済ができるサービスとしてPayPalとstripeを発見するとことができたので準備してきました。
具体的な準備の簡単な流れ
PayPal→銀行口座の開設と証明をPayPal本部(シンガポール)に送る→口座開設できたら「My PayPal」を登録→QRコードを印刷
Stripe→口座開設→自分のサイトに「特定商取引法に基づく表記」を記載→商品登録→個別のQRコードを印刷
PayPalの良さはいくつか商品が組み合わせた「合計金額」での決済が簡単なので、当初はこちらを利用していました。
ところが、来場者が増えるにつき、繋がりが悪くなってきます。
会場ではたくさんの商品があちこちで売買されてます。PayPalは人気で多くの方が使っているのかと想像しました。
後から聞いたお話しだと
「PayPalはピークタイムになると繋がりにくくなるので大変でした。」と出展したことがあるイギリスの方も言ってました。
Stripeは個別決済しかできないので商品が組み合わさると、支払いを2度3度してもらわないといけないのでわずらわしいなと思い、あまり使ってませんでした。
もう一点煩わしいのが、クレジットカードを入力してもらうことが多いのもなんだか説明がめんどくさいなと敬遠してました。
それと「PayPal」と言うと皆さんピンときてQRコードをかざしてくれますが「stripe」といっても「?」となり怪しがって躊躇されます。
が、PayPalがあまりにもつながらないので、stripeを使ってもらうことにしました。
PayPalよりかはアクセスしてくれます。
2度3度の支払いの手間もPayPalのアクセスの悪さに比べれば全然早いです。
現金払いだと10秒くらいで終わるのにクレジット決済だと5〜20分かかり、決済が成功するたびに喝采が上がりました。
【現金とクレジットの比率】 結局、現金とクレジット決済、どちらが多かったのかというと
8割 現金
2割 クレジット
でした。 「現金(キャッシュ)オンリーの方がよかったのではないか?」
とも思いましたが、せっかくここまでクレジット決済で苦労したし、ユーロ紙幣ばかり貯まっても両替が手間だしなど思うと、苦労と時間ばかりかかりましたが、良い経験になりました。
【日本から持ってきたWi-Fi】
・ピークタイムは繋がらない
・1日500メガプランだと早くて30分、4〜5時間で容量オーバーする場合もある

「フランスでは電波がつながりにくいからWi-Fiレンタルして持っていった方が良いですよ」とアドバイスもらったので、「地球の歩き方」パリ版の後ろ表紙にデンとあったイモトのWi-Fiをかりました。
「大容量1日500メガ使いたい放題!」とあったのでたくさん使えるのだろうと思って、こちらにしてみました。
最初よくわかっておらず、朝、自分のパソコンでお客様とのデータ送信でWi-Fiを使っていたら、30分で500メガは容量オーバーしてしまいました。
ちなみに泊まったホテルのWi-Fiはまったくつながりませんでした。
多分自分が6階に泊まっていたからだと想像しています。(多分Wi-Fiの発信は1階)
「500メガってすぐなくなるの」と安普請してしまった自分を呪いましたが、どうにもなりません。
自分のパソコンにWi-Fiを繋げるのはやめて、JAPAN EXPOのピークタイム11:00〜17:00で使うことにしました。
理屈は不明ですが、メガの使用量は6時間くらいで平均180メガくらいでした。
ピークタイムだけなら使えてることにホッとしましたが、つながりは悪いようです。
購入してくださるお客様がWi-Fiで苦労してるので、自分のレンタルしたWi-Fiに繋げてもらいましたが、つながりは悪いまま。他の友達のWi-Fi(デザリング)を再度トライするなど、すぐ違う方法に切り替えられてしまいました。
お守りで繋げてる自分も繋がりがいいのかというとピークタイムはつながりにくいです。
「500メガ」という容量はWi-Fiのつながりやすさと比例するのでしょうか?
イモトのWi-Fiを見たら「1日ギガ使いたい放題!」というプランもあります。
とはいえ、車で例えたら、ガソリンタンクが大きいのとエンジンが強力なのはあまり関連性がありません。
「容量無制限」と「出力が強い」かは別問題かもしれません。
【eSIMが良いのか】
自分がポケットWi-Fiを持参すると
「海外ならeSIMがいいよ! 安いし、容量も多いし」
eSIMはひどく簡単にいうと、滞在する国の携帯キャリアを一時的に借りるサービス
と言った感じでしょうか。
地元のキャリア(日本だとdocomoとかauとか)を使うので電波が安くて入りやすい
といった理屈です。
そんなわけでeSIMは見聞きした感じですと確かに容量も多いし安いです。
金額はプランで色々ですが
「250ギガ! 30日 8000円!」
のような感じです。
自分が借りたイモトのWi-Fiは
10日間ということで多少保証つけて23000円くらいでした。
容量無制限はもうちょっと金額かかると思います。
それに比べるとeSIMは安いし容量も多いです。
eSIMは今回使用しませんでしたが、「繋がりやすい」のかはよくわかりませんでした。
お知り合いの方が現地でeSIMを使ってましたが
「ピークタイム」はつながりにくい」
と言っていました。
自分の場合、今回eSIMをやめた理由が
「ahamoは海外でもそのまま現地のキャリアと繋がって使えます。」
ということでした。自分のキャリアがahamoだったのと基本容量もほぼ20ギガあったので今回はeSIMを購入はやめました。
【ahamoをフランスで使う】
借りたポケットWi-Fiが容量不足と思ったほど重いデータの送付に時間がかかるので、ホテルではahamoの携帯でパソコンにデザリングしてデータを送ったりしてました。
印象としては、ホテルで使う分にはイモトのWi-Fiもahamoも違いはあまり感じませんでした。(ホテルのWi-Fiは繋がらない)
容量に余裕があるahamoの方が使い勝手が良かったです。
ahamoのギガ使用量も1日単位で見ると大体800メガのようでした。
(20ギガがなくなっても困るので「省電力モード」)
JAPAN EXPOのピークタイム、ユーロスターに乗った時は電波がひどく弱くつながりにくいですが、それ以外は連絡やSNSアップする分にはあまり問題なかったように思います。
でも動画系は全然見れませんでした。
【Wi-Fiはどうしたら良いのか】
今回のフランスの場合の経験でまとめると
・Wi-Fiレンタルするのはお守りくらいで
・ahamoがキャリアならそれでも10日くらいなら乗り切れる
・eSIMは安いし使いやすい
今回だけの経験なのでどの選択がいいのかは人それぞれと思いますし、自分もわかりません。
自分の経験で次にトライしたいのは
「現地のeSIMを使ってみる」
でしょうか。
日本のahamoと繋がりの強さがどのくらい違うかは検証してみたいです。
【JAPAN EXPOの成果】
すっかりクレジット決済とWi-Fiのことばかりになってしまいました。
自分は昭和レトロ風なイラストでお店の看板や地図、絵本やに似顔絵を描く仕事をしています。


そんなわけで、昭和風な絵はがきやステッカー、パリの地図を描いてポスターにし販売していました。

全部日本語で描いたアイテムなので受け入れてもらえるのかは気になりましたが、うれしいことに多くの方が自分の絵に感銘してくださりました。

絵はがきも売れ筋のものは2日目くらいで売れ切れていき、商品が手薄になってきたので、4日間販売を手伝ってくれた、ドイツのフランクフルトに住んでる同級生のすすめで似顔絵を3日目、4日目と描きました。
来客の皆さんは結構コスプレをしてる方も多く、似顔絵もコスプレぽい感じで描けて自分も楽しかったです。
4日間の販売でしたが、日本でもこのようなイベントはせいぜい2日くらい。経験がなかったので長く感じました。(笑

自分の絵は多くの方に感銘いただきずっと好評だったのはとてもうれしかったです。
購入いただいた皆さん、本当にありがとうございます。
これもきっかけをくれた同級生のヨガマスター、宮崎先生、申し込みの案内をしてくれたアーティストのTakuma さん、フランスに20年住んでた顔出し看板研究家の堀泰子さん、フランスのご縁を最初に作ってくれたヴァネッサさんなどたくさんのご縁があってこそです。
せっかくお金をかけて(結果85万円くらい)行くので悔いのないようやれることはやろうとのぞみ、ほぼできたと思いますので悔いなくできたと思います。(^_^
【フランス語か英語か】
知人の方から「コミュニケーションはフランス語なの?英語なの?」
と聞かれますが、英語を適当にお話しできたら十分と思います。
EUという組織でまとまってるせいかは不明ですがどの国の方も割と英語はしゃべってくれます。
JAPAN EXPOというだけあって、基本日本が好きな方がほとんどです。
カタコトの日本語をしゃべってくださいますし、英語と日本語を組み合わせればコミュニケーション自体は成り立ちます。
翻訳機的なものもイベント以外でも特に必要ないと思います。
言葉というよりもゼスチャーやパッション(感情)の方が伝わります(笑
そんなに難しい英語を喋る必要もありません
・値段はいくらですか?
・自分は昭和風な絵を描くアーティストです(云々カンヌン)
・この作品や商品はこんな意味合いで描きました(説明)
・どうやってここまできましたか?
・お礼やこんにちは
など商売でお話しする分にはしゃべる内容は決まってきます。
その辺りを簡単な英語でお話しできるようになれば問題ないかと思います。
相手も英語は母国語ではないので、聞き取りも難しくないのではないでしょうか。
聞いてて理解できなくても、気にしなくて良いかと思います。
国民性の違いで考え方や発想がそもそも違うので、何を観点に質問してるとかはたくさんの方に関わらないとわからないと思います。
フランス語を付け焼き刃で勉強されるなら英語の訓練をされた方が良いと思います。
自分が知ってるフランス語
メルシー
ボンジュール
シルブブレ(お願いします)
【終わりに】
パリでのJAPAN EXPO、出展してみたい方は10月か11月くらいにサイトを見てみてください。
コンタクトできる何か表示があるかと思います。
そこでコミュニケーションをすることで出展案内をいただけるようです。
一般的に自分たちが考えるような
「出展者募集!」のようなサイトはないようなのでアクセスが難しいです。
2024年はパリオリンピックの影響で開催されないかもとも言われてますが、また様子見て自分もトライできたらいいなと思います。

ありがとうございました!
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